むかしばなし

「夜、ふとした時にね。どうにも眠れずに部屋を出る事があったんだ。そうすると廊下の向こうに明かりが見える。私は迷わず歩いて行って扉を叩くだろう? すると、いつも兄さんが”どうしたんだ?”と招いてくれるんだ。それは……とても幸せな事だったよね」


「たまに、なんだが。寝支度をしてそろそろ寝るか、という時に扉が叩かれる。またか、と思いながら扉を開ければ俺を見上げるジェラールがいる。”どうしたんだ?”と声をかけて部屋に招いて供に寝ることがあった。……懐かしいものだな。もう添い寝は無くて大丈夫か? もう、泣いてはいないか?」

じゅうぶんおとな。