【ひとくち話】ヘクターはジェラール様とキスがしたい

みじかめの話を書いたら「ひとくち話」として投稿することにしました。
書き続けていないと色々鈍るので……さすがにそろそろ癖づけて書けるようにしておかないとまずいと思い書き散らすことにしました。
ほんとに書き散らしなので初稿状態に近いです。見直しもあんましてないのでなんか変だな~と思ったらごめんなさい、そういう出し物って思って下さい。翌日くらいにもしかしたら直ってるかも。直ってなかったら諦めたと思って下さい。言い訳がすごいな……
ヘクジェラとにかくいちゃついてくれェ……!という気持ちで書くやまもおちもいみもない話が多くなると思います。
だってヘクジェラにえっちなこととかちゅーとか濃いめの接触とかして欲しいので……
見たいよなァ!?見たいが!?!?!?!?!!???
チャンネルがあったらよろしくお願いします。色々ゆるゆる設定です~

とろん、と目尻を下げて恍惚とした表情をするのを見ればこちらがたまらなくなるというのを分かってやってるんだろうか、とヘクターは頭を抱える思いを抱く。今現実にその腕に抱いているのは愛しいひとだが。
離れた口をまた飽きもせず貪る。
つんと突き出た舌をぢゅ、と強く吸い上げ唇を窄めて二度、三度と上下させるとたまらない、と言うように咥内に舌が逃げる。
非難めいた視線が開いた瞼から覗くが、水膜を張った潤みを湛えた瞳は扇情的でちっともヘクターを傷つけない。別の意味合いではしっかりと煽られるのではあるが。
「ジェラール様」
あやすように目尻に唇を落としたのを皮切りに、顔中に口付け、普段の荒々しさとはあまりにも違う別人のような甘さでもって愛撫する。
きゅうと引き結ばれたジェラールの口元は、意固地に声を上げてなるものかと頑張ってはいるがそれの解きほぐし方をヘクターはよくよく心得ている。少なくない夜の数だけジェラールが閨の仕草を学んだように、ヘクターもまたジェラールの甘やかし方を会得していた。
後頭部に手を差し入れて指で髪の感触を楽しみながら、さらさらと手櫛で指を通す。引っかかることなどない高貴な者のよく手入れされた絹糸のようなそれに己との違いをまざまざ感じておかしくなる。
引っ張られるように喉を晒したジェラールの、真上から見下ろし今は薄暗い室内で深い森の奥の色をした瞳をのぞき込む。
「ジェラール様」
わざと低くした掠れた声で名前を呼ぶと、どうも相手は弱いと知ったのは最初の頃の夜だった。
まだ口を開かせるには至ってないが、そう時間のかかることではない。
――互いに求めているのは知っているのだ。
「ほら、口を開けてください」
つれなく顔を逸らすジェラールに、ヘクターはやや強引に顎を取りこちらを向かせる。
「何度もお教えしたでしょう?」
ぐ、と喉が上下したのを見て、目元を細めてうっそりと笑う。見せつけるように唇に唇を軽く重ねるのを繰り返し〝ここを開けろ〟と示す。
「欲しくないんですか?」
駄目押しに熱をそのまま乗せ囁けば、強固な守りを見せていた口元が徐々に緩み薄く唇が開く。
恐る恐る、といえる緩慢な動きでようやっとヘクターに言われた通り、ジェラールは口をちいさく開いた。
声を上げないのは最後の抵抗なのだろうとヘクターはあたりを付けたが目的のものは顔を出したので良しとする。目を和らげわざと幼子にするように側頭部をするりと撫でて、そのままうなじを支えるよう片手を添えヘクターに縋ろうとしたもう片手は指を絡めてやわく握ると同じように握り替えされる。
「いい子ですね」
唇ごと舌で舐め上げるととうとう観念して差し出された舌がちろりとヘクターの舌を舐めた。
気を良くして舌を重ねて熱を伝え合うよう押しつけ合う。角度を変え徐々に深くなる交合は互いの息を奪っていく。
室内に響くのは衣擦れの音と鼻から抜ける声ともつかない声。
ヘクターはこの夜やっとジェラールを敷布に縫い止める事に成功し、夜着の合わせに手を差し入れ暴き始める。
色づいた肌を見下ろして、熱の篭もった吐息を漏らした。

じゅうぶんおとな。