愛し、まなざし

 目は口ほどにものを言う、と、いう。  不意に窓の外から騒がしい声がした。 その場にいた全員がつられて視線を窓の外へと向ける。皇帝の護衛として傍らに控えているベアもまた同じであった。「……どうやら訓練…

月明りの狭間には秘密が隠れている

 陛下はいつも、私の目を見てくださる。「ありがとう」 ただ日報を渡すだけのいち政務官の私に、しっかと目を合わせて礼まで言ってくださるのだ。 だがそこで驕るほど私は身のほど知らずでもないし、年若いわけで…

知らずの癖

「ジェラール様」「なん……」ヘクターの指は男らしさを体現するようだ、とジェラールはいつも思う。その指が……黒革に覆われた指が、ジェラールの顎をすう、と撫でる。「っえ」その動きが、ジェラールに緊張をもた…

動画って投稿出来んのかな

出来たわ。 せっかくなのでタイムラプス見てってくれよな!!!!!!!!!!!!!!!!! ここ3年くらいのお絵描きはもっぱらiPadでProcreate使って描いてます。 さっくと描くにも結構ゴリゴリ…

【ひとくち話】ときを埋める口吻を

一年前の今頃に書いていてメモに埋もれてたもの。に、足りない部分を継ぎ足して再構成してみました。そしたらあんまりひとくちじゃない長さになった。(いつもの)たまたま発掘して読んでみたら「えっ好きだが……?…

うたかたのひと

夜半、ヘクターは気配を察知しはっと目を覚ました。二人を包む掛布を蹴り上げ枕の下に忍ばせたナイフに手をやり隣で寝ているジェラールの頭を抱えようとして……不覚にも手が止まる。そこには女がいた。愛おしそうに…